『 自分にとっての写真て何だろう？』と、いつも考え続けてきました。
衝動にかられて夢中で撮影していることもあれば、全くカメラを手にしない時期があったり。コンテストや公募等には興味がない。精力的に芸術的な表現を追求している訳でもない。でも写真を撮るのは好き！　こんなことでいいのかなぁ？と疑問に思いつつも、ずっと撮り続けている理由。最近やっと悟りました。

　私にとっての写真は、『 記憶 』なのだと思います。その時その瞬間、その場所に自分は確かに存在し、レンズを通して見た『 記憶 』です。
　時が経つにつれ『 記憶 』は薄れ、心も震えるほど感動したことさえ忘れていく。しかし写真は、その瞬間、見て聞いて触れて感じた事実を『 記憶 』している。
　かなり前の写真だと、こんな所に行ったけ？　なんて思う時もあります。それでも、じっと見ているうちに、イメージはフレームの枠を越えてぐんぐん拡がり、撮影したその場所、その時の光、音、温度や湿度、風、匂い、空気、想い、感動 etc. 様々な感覚が鮮明に蘇ってきます。
時空を超え、シャッター切ったその瞬間の感覚を再び味うことができる・・　そこに魅力を感じているのだと思います。

　シャッターをきる瞬間、自分は必ず " 何か " を感じています。その感じている " 何か " を『 記憶 』に留めたい、そして、誰かに伝えたい。絵、音楽、詩、言葉 etc. 様々な表現方法がある中で、自分には写真だった・・ということでしょうか。